平成29年度IPPS共同研究成果発表会およびInternational Workshop on the Research and Development of Unique Reaction/Separation Techniquesにて発表しました

平成29年3月5日~6日まで熊本大学にて行われた、平成29年度IPPS共同研究成果発表会およびThe 1st International Workshop on the Research and Development of Unique Reaction/Separation Techniques in Kumamotoにて発表を行いました。

高圧熱水中でのアミノ酸の環化・開環反応に対する溶媒効果(IPPS共同研究成果報告会にて口頭発表)

内容:アミノ酸のオリゴペプチドは抗菌、抗ウィルス、抗がん物質として有効であり、固相法や液相法で合成される。両社とも合成制御とスケールアップの両立に課題があり、本研究では液相法の合成制御の改善を目指して、パルス放電実験および高圧熱水中での反応実験、分子シミュレーションから検討を行った。


Role of Water on Cyclization and Ring-opening Reaction of Alanine Dimer from Ambient to Supercritical Water (常温から超臨界水中におけるアラニン二量体の環化・開環反応に対する水の役割, International Workshopにてポスター発表)

内容:アラニン二量体とジケトピペラジン(DKP)との間の環化反応および開環反応について、常温から亜臨界・超臨界水中での反応に対する水分子の触媒効果と集団としての水が関与する媒体効果に分割して定量化を試みた。計算には量子化学計算と分子シミュレーション、エネルギー表示の理論を用いて、活性化エネルギーの水密度依存性を算出した。計算結果より環化反応は水分子により触媒されるが、開環反応はあまり触媒効果を示さないことを明らかにした。また、媒体としての水は亜臨界状態において最大となり、環化反応を最も促進することを明らかにした。


Rapid Synthesis of N-Substituted Succinimide in High-Temperature and High-Pressure Water (高温高圧水中でのN-置換スクシンイミドの高速合成、International Workshopにてポスター発表)

内容:高温高圧水中でスクシンイミドおよびN-置換スクシンイミドを合成した。始めに無水コハク酸のアセトン溶液と水溶液とで比較実験を行い、脱水反応の存在、環状構造の必要性、逐次反応の存在を確認した。このスクシンイミド合成の比較実験の知見を活かして、右に示すようなN-置換スクシンイミドの合成を行い、高圧熱水中での合成の達成・未達成を確認すると同時に、高圧熱水中での合成に関する優位性の有無を評価した。